スクリプトを定期的に動作させることができない専用デバイスや IoT 機器での使用方法

このページでは、「IPv6 ダイナミック DNS」サービスをスクリプトを定期的に動作させることができない専用デバイスや IoT 機器で使用する方法について説明します。

IPv6 ダイナミック DNS サービスのOS/機器設定マニュアルでは、これまで、各種メーカーのルータや Linux、Windows ベースの PC や機器を IPv6 ダイナミック DNS サービスと共に利用する方法について解説してきました。

しかしながら、これらの設定例に出てくるようなデバイスは、いずれも柔軟性・自由度が高く、予め機器の側が OPEN IPv6 ダイナミック DNS for フレッツ・光ネクスト サービスに対応しているか、または、独自のスクリプトや自動タスクの登録 (cron など) により OPEN IPv6 ダイナミック DNS for フレッツ・光ネクスト サービスにおける DDNS ホスト名に対する IPv6 アドレス更新 API の呼び出しが可能なものばかりでした。

一方、これらのすでに述べた例と比較して著しく柔軟性および自由度が低い IPv6 対応デバイス (たとえば、監視カメラやセンサーシステム、安価でコンシューマ向けのブロードバンドルータなど) には、内部で自由なスクリプトを動作させるリソースがないか、例えリソースがあったとしても、ユーザーにそのような自由を認めていません。

IPv6 ダイナミック DNS サービスは、このような柔軟性および自由度が低い IPv6 対応デバイスからでも、多くの場合、以下のヒントに掲げる方法により、定期的に DDNS ホスト名に対する IPv6 アドレス更新リクエストを受付けることができるようになっています。

戦略 1. NTP クライアント機能を活用する

  • 多くのルータ、IoT デバイスなどの組み込み機器には、「NTP クライアント機能」が搭載されています。
  • NTP クライアント機能は、一定間隔ごと (たいていの場合、間隔も機器の設定画面で設定できます) に、設定された NTP サーバーに対して NTP パケットを送信します。
  • この挙動を利用し、IPv6 ダイナミック DNS サービスで作成した DDNS ホスト名に関連付けられている「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」を NTP サーバーアドレスとして設定することにより、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」に対して、当該デバイスから、定期的に IPv6 パケットが送出されるようになります。
  • IPv6 ダイナミック DNS サービスのセンターホストでは、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」宛に届いた任意の IPv6 パケットが 1 つ以上ある場合は、対応する DDNS ホスト名の IPv6 アドレスを、その IPv6 パケットの送信元 IPv6 アドレスに書き換える仕組みになっています。
  • これらの自由度が低い機器が定期的に送出することができる NTP パケットも IPv6 パケットの一種ですので、この仕組みが利用できます。
  • さらに、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」で識別される IPv6 アドレスは、実際に NTP サーバーとして動作しており、現在時刻を返却します。したがって、NTP クライアントに「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」を設定することによる犠牲はありません。

お勧めの設定方法

  • 対象の IPv6 対応機器の各種設定画面をよく確認し、NTP クライアント機能の設定画面を発見します。
  • NTP クライアント機能における、NTP サーバーの設定の欄に、IPv6 ホスト名 (FQDN) を記述することができる場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新ホスト名」をそこにコピーします。
    FQDN の記述ができないけれども IPv6 アドレスの記述は可能である場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新アドレス」をそこにコピーします。
    ※ 特定の機器の NTP クライアントの仕様、制限事項については、機器の仕様書を確認するか、ベンダーに問い合わせてください。
  • NTP パケットの送出間隔を設定することができる項目がある場合は、1 分間など、できるだけ短い間隔を指定します。
  • 機器の設定が完了したら、再起動してみて、正しく DDNS ホストの IPv6 アドレスが自動的に更新されるか確認をします。

戦略 2. ping 送信機能を活用する

  • 一部のルータ、IoT デバイスなどの組み込み機器には、「ping 送信機能」または、何らかの Echo, KeepAlive パケットの送信機能が搭載されています。
  • ping 送信機能等は、一定間隔ごと (たいていの場合、間隔も機器の設定画面で設定できます) に、設定された IPv6 ホストに対して何らかのパケットを送信します。
  • この挙動を利用し、IPv6 ダイナミック DNS サービスで作成した DDNS ホスト名に関連付けられている「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」を送信宛先サーバーアドレスとして設定することにより、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」に対して、当該デバイスから、定期的に IPv6 パケットが送出されるようになります。
  • IPv6 ダイナミック DNS サービスのセンターホストでは、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」宛に届いた任意の IPv6 パケットが 1 つ以上ある場合は、対応する DDNS ホスト名の IPv6 アドレスを、その IPv6 パケットの送信元 IPv6 アドレスに書き換える仕組みになっています。

お勧めの設定方法

  • 対象の IPv6 対応機器の各種設定画面をよく確認し、「ping 送信機能」または、何らかの Echo, KeepAlive パケットの送信機能の設定画面を発見します。
  • 「ping 送信機能」または、何らかの Echo, KeepAlive パケットの送信機能における、宛先ホストの設定の欄に、IPv6 ホスト名 (FQDN) を記述することができる場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新ホスト名」をそこにコピーします。
    FQDN の記述ができないけれども IPv6 アドレスの記述は可能である場合は、IPv6 アドレスを記述することができる場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新アドレス」をそこにコピーします。
    ※ 特定の機器の ping 送信機能等の仕様、制限事項については、機器の仕様書を確認するか、ベンダーに問い合わせてください。
  • パケットの送出間隔を設定することができる項目がある場合は、1 分間など、できるだけ短い間隔を指定します。
  • 機器の設定が完了したら、再起動してみて、正しく DDNS ホストの IPv6 アドレスが自動的に更新されるか確認をします。

戦略 3. syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能を活用する

  • 一部のルータ、IoT デバイスなどの組み込み機器には、syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能が搭載されています。
  • syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能は、たいていの場合、機器の電源が入ったり、機器の LAN ケーブルが差し込まれたり、また機器の IPv6 アドレスが変化したりした際に、設定された IPv6 ホストに対して何らかのパケット (SNMP や syslog など) を送信します。
  • この挙動を利用し、IPv6 ダイナミック DNS サービスで作成した DDNS ホスト名に関連付けられている「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」を送信宛先サーバーアドレスとして設定することにより、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」に対して、当該デバイスから、定期的に、または電源投入後 / IPv6 アドレスの変化後などに、IPv6 パケットが送出されるようになります。
  • IPv6 ダイナミック DNS サービスのセンターホストでは、「専用更新ホスト名」または「専用更新アドレス」宛に届いた任意の IPv6 パケットが 1 つ以上ある場合は、対応する DDNS ホスト名の IPv6 アドレスを、その IPv6 パケットの送信元 IPv6 アドレスに書き換える仕組みになっています。

お勧めの設定方法

  • 対象の IPv6 対応機器の各種設定画面をよく確認し、syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能の設定画面を発見します。
  • syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能における、宛先ホストの設定の欄に、IPv6 ホスト名 (FQDN) を記述することができる場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新ホスト名」をそこにコピーします。
    FQDN の記述ができないけれども IPv6 アドレスの記述は可能である場合は、IPv6 アドレスを記述することができる場合は、本 DDNS サービスの DDNS ホスト名における「専用更新アドレス」をそこにコピーします。
    ※ 特定の機器の syslog 送信機能または SNMP トラップ送信機能等の仕様、制限事項については、機器の仕様書を確認するか、ベンダーに問い合わせてください。
  • 機器の設定が完了したら、再起動してみて、正しく DDNS ホストの IPv6 アドレスが自動的に更新されるか確認をします。
自由度が低く、スクリプトを定期的に動作させることができない専用デバイスやIoT機器